ヨシキリ亭in 江戸川 日々に感じた事を写真画像付きで。 | ||
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2016年4月23日(土曜日) | ||
浦上玉堂_東雲篩雪を見に行く | 20:40 yanagi | |
東京ステーションギャラリーで、川端康成の所蔵美術品の展覧会をやっているので見に行った。一番の目的は、浦上玉堂の「東雲篩雪」をみる事だった。実は東雲篩雪の原寸複製を持っているのだが,原本の方は見た事が無いので,複製の出来が良いのか判断出来ないのだったが,きょう原本を見て至極出来のよいものだと言うことがわかったのだった。 新聞広告の写真ではあり得ない色調になっていたので、実物を見て安心したのであった。国宝である。川端康成が昭和20年代に入手して後に、指定されたのだそうで,川端自身も、作家風情が入手出来るものではないという文章を残している。時は戦後の混乱期だという事が大きい。 ベンガラで描いたような細かな赤のタッチが全面に入っているというのは、実物を念入りに見ないと見えてこない。これは驚きだった。写真では大きなタッチ以外には写らないくらいの細かいものだったからだ。大胆な筆遣いで描かれているが、見えないくらいの細かなタッチも併用されているのだ。国宝にふさわしいと思った。篩雪とはふるいにかけたような、細かな雪の事で、赤いタッチは山に少し残っている、紅葉した葉っぱと言う事だろう。東雲となっているが,玉堂的には凍雲の字をあてるところらしい。山に蓋をせんばかりにかかっている雪雲を云ったものだろう。下右に楽器を楽しむ君子が描かれ、谷に架かった橋を渡った所の庵なのだが,さらにその上の辺鄙な所にも人家が描かれているのだ。一見風流を楽しむ君子を主題としているように見えて,実際には過酷な自然のサイクルの中でいきる、人の活動が、描き込まれているのだと再認識したのだった。他にも埴輪のいいのが有った。頭部をハート形にかたどるなどという発想が出てこない。胸に出っ張りを作ってあるので、女性像だと分かる。個人コレクションのよい展覧会である。東雲篩雪は五月初旬で展示終了らしいので,これを見たい人は早めに行きたい。 | ||
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